2021年3月14日日曜日

中古鉛のインゴット化とSvarog Zveroboy の鋳造

 昨年買った中古錘とモールドをようやくどうにかする気になりまして、先日、実家でスラッグ弾頭の鋳造を行って参りました。

金属を溶かした際は、ヒュームという蒸気が湧きまして、当然これはその溶かした金属を含むので鉛なんぞは吸いたくもないわけですから、実家の庭先を借りて屋外作業とした次第です。

なので、今回はその時のことで、メモ替わりに。

鉛自体は、まだまだ材料としての価値があるのか、まともに材料として買ってしまうと1円/1g以上するものとなりまして、これをどうにかしようとすると、やれ水道管だやれ網漁の使い古した錘だというものに手が伸びるわけですが、基本的にこれは他人にお勧めする気にはなるものではありません。何が混じっているかわからないですからね。

とりあえず、私は網漁で使われた使い古し錘20Kgを送料込み6000円でゲットし、100均のステンレス製鍋とキャンプ用の灯油ストーブでこれを溶かし、浮いたゴミを捨て、カーボンのインゴット型に流し込んで素材化していき、それを Lee Precision の Pot IV にぶっこんで鋳造を開始しました。

ちなみにこの時、メルターのヒーターが溶けてショートして、Lee Precision公式から補修パーツを買うハメになったのですが、案外早く届いたこともありまして、メルターなどの弾頭キャスト用品が欲しい人はLee Precisionから直接通販購入するのが良いかもしれないなと思っております。
ヒーター交換動画があがっているあたり、もしかするとヒーターは消耗品扱いかもしれないので、一緒にヒーターを買っておくと幸せになれるかもしれません。

さて、先人たちの中には、Zveroboy の鋳造に当たっては湯境を起こしてしまうなど、難しいということだったのですが、こっちでやってみた限りではそんな難しくもなかった感覚です。
決め手は、テンポです。

鋳造は高専時代に一度しかやったことなく、おまけにその一度もアルミ合金で、砂型手込めでやると今回とは全く異なるものですが、割と感覚的に満たさなければならないことは変わらないんだなというものでした。

湯(溶けた金属)の温度と、型の温度と、製造速度がかみ合った時、いい感じのが出来ていきます。


まず、鉛が溶けたと思ってもまだ早く、もう5分くらいはあっためてもいいかもしれません。とりあえず、バーナーで型を30秒ほど炙って温め、3,4個、鋳造してみてもいいです。
鋳造に当たっては、木槌をフル活用。

以下の動画の要領でやります。

湯をいれて、
木槌で叩いて湯道を落として、
型を開く前にモールドを2,3発木槌で軽く殴り、
型を開いたら、ピン引き抜き用の位置に移動し、
また肩を軽く木槌で叩いてからピンを引き抜く。

これを何回か繰り返してみて、シワが見えたり、ディテールがはっきり出ない、湯道を落としたり、ピンを引き抜くのにかなり力がいるようであればそれはまだ湯か型の温度が足りていないので、作った弾頭はまたメルターに突っ込みつつもうちょっと湯を温めましょう。

かなり温まってくると、ピンも割とサクっと抜けるようになってきまして、湯道を落とすのが早すぎるとまだ中が固まり切っておらず型に鉛がつくなどの状態になってきます。
こうなってくると本気の連続鋳造の開始となります。

型に鉛を流し込んだあと1~2秒ほど待たないと中が緩いくらいであれば、ディテールも綺麗にでていてシワもなくなっているはずです。
この状態で流し込んで2秒弱待ち、湯道を落として…弾を排出したら、また湯をいれて…を繰り返していくと、重量的にも安定した弾頭が作り続けられるようでして、メルターが空になるまでやって一休憩としています。
なお、離型剤はシリコンスプレーを軽く一拭きしましたが…これがずっと必要みたいなことはなかったと思います。
むしろ、テンポよくやってるとそれだけで綺麗に離れます。

温度を上げ過ぎるとメルターのヒーターが溶けてショートするのもありますで、とりあえずうちでは、K型熱電対の温度センサーを購入し、温度測定オプションのあるテスターで温度管理しながらやろうかと思います。

このあたりのことを考えると、少なくともメルターをオンにしているうちは離れず、鉛を使い切って、メルターの電源を落としてから離れるなど考えたほうが良いでしょう。


使った良かった道具

Lee Precision Pot Iv Melter
Svarog Zveroboy M 12 Guage Mold
大五郎 木槌36mm
100均のステンレス鍋 (できれば2Lくらい入ると良い…)
100均のステンレスおたま(ごみ掃除&インゴットモールド用)

使って微妙だった道具

BRS 12a (カセットコンロのほうが重い鍋にも耐えて良い)
カーボン鋳型 (素直にLymanかLeeの鋳型を使ったほうがテンポも良い)

このあと買った道具&次回使おうと思う道具

Lyman Ingot Lead Mold
カセットコンロ
温度計(K型熱電対センサー+テスター)
中間スイッチ(メルターにスイッチがないため)
100均のざるおたま(ごみ掃除用)


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